20201022

 

体重が増えた。といっても減っていたのだから増えること自体は大きな問題ではない。問題は体重増加の勢いがあまりにも良いこととその原因である糖質を無限に口にしたくなる食欲である。その食欲は薬の副作用で炭水化物ばかり欲しくなるのだから困る。タンパク質はあまり口にしたくない。今シーズン初の鍋を食べても心は満たされず、ひたすらに炭水化物を欲してしまう。食べても心が満たされることはなくて、食べるのを我慢している時の焦燥感というか落ち着かなさに禁煙ってこんな感じなのかな、などと思ってしまったくらいだ。

 

医師は次の診察でも体重が*kgくらい増えていたら処方を変えます、~をやめたらわりと体重落ちますよ、とさらっと言っていた。体重が減ってしまう前の薬と真逆だけれど脳に作用する(と考えられている)ところは同じで、脳を刺激(あるいは刺激を抑制)することで食欲しかり欲求や感情が変わってしまうということに虚無感を覚えてしまった。感情を経口摂取した薬剤で操作するというのは違法薬物と同じことをしているのではないか、生じやすい感情が変われば性格にも当然影響が出るだろう、そもそも楽になりたかったのではないか、財布を犠牲に脳内伝達物質を操作して生きていくという選択肢しか選べないのはやはり弱者を弱者として生かしておくためのシステムではないのか(現在相対的に弱者たる存在が全滅すれば現在相対的に強者である存在の中から相対的な弱者が生まれてしまうため)。

 

脳に作用する薬は私の脳を賦活化し私の身体を賦活化し動けるようにするだけでなく私を利己的に自分本位な価値観を増強しているように感じる。それは自分を守るために本来必要なことで健康な人よりそれが弱い人間は薬で補っているのかもしれない。だとしたら私は私がなりたくない私に近づいていくのではないかと疑問に思ってしまう。けれども動けなくなるのも困ってしまうので通院を続けて人格に影響を与えてそうだという記録もなるべくつけて変化に自覚的にやっていくしかなさそうだ。