あるいは傷つけ合ったあとに

「別れてください」

何度送られてきたか分からない。

昨日散々抱いておいて別れてくださいはないだろう、と思うがこの程度の突拍子もなさで驚いていても仕方ない。

「昨日あんなふうに抱いておいて別れろと言われてもはいそうですかとは言えないです。」

至極真っ当と思われる返信をした。

 

大体、もう事実上の(次の)恋人がいるんじゃないのか。

言い寄ってきた女の人と、それとは別にデートした相手。でも、誰がどうでもなんでも良い。

 

「何がなんでも別れる気ないでしょう」

別れる気がない、というより言いなりになる気がない。今の主張が別れてくれだから別れる気がない、になってしまうんだろうけれど。

 

 

これよりあとのことは記憶が曖昧だ。ただ覚えているのは魔が差して他の男の子とデートしたいと思ってしまったこと。もう終わりだと思った。なんと伝えたか思い出すことはできないけれど、私は恋人との別れを受け容れた。

 

 

別れはただの喪失だと思っていた。けれども別れたあとに離婚したあとってこういうある種の穏やかさが漂うのかなと思ったことはログに残されていた。彼もいいねしてくれた私の言葉。正確に書き起こすために見返す元気がない。

 

 

 

新しい恋人ができたのにシェアハウスの家賃を私に払ってもらおうとした(払った)のはなんでだったのかな。セックス代?

 

私って全部耐えてたら今も関係切られずに済んでたのかな。

 

 

 

 

もう死んじゃった神様の話だから何を言っても許される。

だって神様だから。